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自律的人材の芽を摘む行為とは?

朝日新聞3月9日付記事より
スカイマークの機長が、体調不良で声が十分に出ない客室乗務員(CA)を交代させようとしたところ、西久保慎一社長と井手隆司会長が認めず、逆に機長を交代させて運航を強行していたことがわかった。
航空法は機長に乗員への指揮権を与えており、個々の運航では機長の判断が最優先される。同社の運航規定でも、安全に対する最終決定権は機長にあると定められている。また、CAは保安要員で、非常時に大声で乗客を避難誘導する役割がある。 機長の判断を経営者が覆したことについて、国土交通省は「前代未聞。安全にとってゆゆしき事態」として文書で厳重注意した。

同省によると、問題が起きたのは2月5日の羽田―福岡便。チーフ格のCAは風邪の治りかけで大きな声が出せない状態だった。出発前に気づいた外国人機長が「避難誘導などに支障をきたす」と交代を指示した。ところが、事態を聞きつけた西久保社長は「健康上、問題はない」として認めず、安全統括管理者の井手会長も「会社の命令」として交代なしに運航するよう指示したという。機長は「安全が確保できない以上飛べない」と拒否したため、社長らは機長を交代。別の機長がCAの交代なしの運航を受け入れ、約1時間遅れで出発させたという。

(中略)

元機長で航空評論家の前根明さんは「CAはサービス要員であると同時に保安要員。万が一を考えて交代を指示した機長の判断は妥当だ。経営者が権威をもって、安全を封じ込めるような体質は改められるべきだ」と話している。

新聞記事を読んだだけで、事実を確認したわけではないのですが同社社長・会長の行為は、法律を犯す越権行為もさることながら、自律人材(=プロフェショナル人材)の芽を摘む行為であることを見逃してはなりません。
機長は、安全で快適な空の旅を最優先し判断を下しました。まさに、顧客志向と言えるでしょう。(当然のことではあるのですが…)しかし、人員配置の都合・社内政治…どのような理由があるにせよ、内向きの理由によって、顧客志向は阻害されてしまいました。

「言われたことしかやらない。」「自分で考えて行動してほしい。」… 経営者の方からよく聞く言葉です。
例えば営業担当が商談中に、ふと「このお客様には、こういうサービスを提供すれば喜んでもらえそうだ。しかし、前例がない。上司に確認しなければ…」と思ったとします。 上司に許可をとり、社長に許可をとり、後日提案したら許可を得ている最中に、よその会社がひと足早く提案し、売上機会を逸してしまった。ありがちな話です。

この営業担当者は、前例を覆すサービスの提供を考え、行動しました。経営者の望む行動をしていたのです。しかし、売上には繋がりませんでした。
このように、内向きの意識は、色々なところにはびこっており自律人材の芽を摘み取っているのです。会社全体が目線を外に向けた上で、従業員一人ひとりが「私、あるいは私たちはどう行動するのか?」を考えることが必要です。そのためには、理念や行動指針など自社として大切にする価値観の共有も必要になってくるでしょう。

ただ、順番を間違えて欲しくないのですが、理念を共有すれば、会社が良くなるのではなく、外向きの行動(顧客志向)が、自社として競争優位に立つために、理念を共有することが大切なのです。

(2009.3.18記)

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