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担当業務を決めることの弊害
先日、医療・福祉系の事業を営む会社の方とお話をした際、こんなことをおっしゃっていました。
「最近の若者は、役割(担当)を決めないと仕事をしないし、役割以外の仕事をやらない。ただ、責任感は強く、与えられた役割はきっちりこなす。」
すなわち、Aさんの役割は“ここからここまで”。Bさんの役割は“ここからここまで”。と定義しなければ、仕事が出来ないと言うのです。コミュニケーション能力の低下が原因ではないかとの事。
たしかに、仕事の境界線を決めておけば、他者とコミュニケーションをとらなくても仕事を完結することができるので、非常に仕事を進めやすい。
企業にとっても、個人にとってもリスクは大きい
しかし、この状態を中長期的にみた場合、企業にとっても個人にとってもマイナスにしかならないのではないでしょうか。企業は、自社が定めた枠内だけの商品やサービスしか提供できず、顧客を失うことにもなりかねません。
身近な例で、レストランでの役割分担による分業を考えてみましょう。
Aさんに与えられた仕事は、皿洗い。
Bさんに与えられた仕事は、接客。
Cさんに与えられた仕事は、調理。
Aさんは皿洗いをしながら、いつも同じ料理ばかり残っていることに気づきました。しかし、Aさんの担当は皿洗い。
Bさんは接客をしながら、料理の感想を目や耳にしました。しかし、Bさんの担当は接客。
そんな客の状態に気づかず、与えられたレシピ通りに黙々と料理を作り続けるCさん。
3人を俯瞰すれば、問題の所在は分かりやすいでしょう。しかし、与えられた業務の中で、自己完結的に仕事をしている人にはなかなか気づきにくいのです。
個人にとってもマイナス要因になることは見逃せません。枠の中で仕事をしていれば、新たな自分の可能性や動機に気づけず、キャリアに幅が出来ないのは明白でしょう。
また、役割や部署をまたいだ仕事ができなければ、顧客の要望がとみに変化する今の時代においては、自身の成果も上げづらくなります。
あるいは、仕事の負荷が大きくなってくると、他人に仕事を振りづらく、独りで仕事を抱え込み、うつ病などを発症してしまう可能性すらあります。
上下関係ではなく、横のつながりが必要
企業は、“横のつながり”を促す環境・体制を整え、若者は、メールだけじゃない対面によるコミュニケーションの機会を意識的に増やし、ある程度キャリアを積んだ人は、地域活動・趣味サークルなどに参加して、横のコミュニケーションを積極的に行う機会を増やすなどして、各々が今後の利益やキャリア開発を考えていくべきでしょう。
企業も個人も、上下の力学的関係だけではなく、“横のつながり”を持てるコミュニケーション能力を養うことが大切です。
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(2009.12.17記)